アルコールチェックの記録、Excelで回すか勤怠と一緒にするか
義務は増えました。でも、現場の手間を増やす必要はありません。
白ナンバーの社用車を使う事業所にも、運転前後のアルコールチェックが義務づけられました。 乗用車を5台以上、または定員11人以上の車を1台以上使っている事業所が対象で、 検知器による確認と、その記録を1年間保存することが求められます。
建設業では、現場へ社用車で向かうのが日常です。 対象になる会社は多く、すでに何らかの形で運用を始めているはずです。
問題は、その記録をどこに残すか。 ここで多くの会社が現場の手間を増やしてしまっています。
1. よくある運用と、その限界
最初に思いつくのは、専用のExcelや紙の台帳を用意する方法です。 しかしこれは、現場を持つ会社では次のように崩れていきます。
「事務所に台帳があるが、直行直帰の日は書けない」
「LINEで写真を送ってもらっているが、月末に転記が必要」
「Excelに入れるのは総務。現場からは口頭で報告」
共通しているのは、記録する場所が勤怠とは別にあるという点です。 現場の人にとっては「打刻」と「アルコールチェックの報告」で作業が2回になり、 総務にとっては転記作業が増えます。
そして最も困るのが、抜けに気づけないことです。 1年間保存が義務なのに、あとから見返して初めて空欄を見つける。 そのときには、もう埋めようがありません。
2. 記録すべき項目を確認する
安全運転管理者が記録し、1年間保存すべき項目は次のとおりです。
- 確認者の氏名
- 運転者の氏名
- 運転する自動車の登録番号など、識別できる記号・番号
- 確認の日時
- 確認の方法(検知器の使用の有無、対面でない場合はその方法)
- 酒気帯びの有無
- 指示事項
- その他必要な事項
ここで気づくことがあります。 この項目の多くは、勤怠の記録とほとんど同じものです。 誰が、いつ、どの車で、どこへ向かったか。 勤怠システムに入力する内容と重なっています。
※要件は道路交通法施行規則に基づくものです。自社が対象かどうかや運用の詳細は、 所轄の警察署や安全運転管理者向けの案内でご確認ください。
3. 打刻と同じ画面で記録する
結論はシンプルです。 勤怠の入力画面に、検知器のチェック欄と車両番号の欄を足す。
現場の人がやることは、いつもの打刻にチェックを1つ入れるだけ。 新しく覚えることも、別のアプリを開くことも、報告の連絡もありません。
- 車両番号は前回の値を初期表示——同じ車に乗ることが多いので、そのまま使える
- 検知器の使用はチェックボックス1つ——押し忘れは未入力として一覧に出る
- 職長まとめ入力なら、班員全員分をまとめて記録——同じ車で移動した人もまとめて処理できる
記録は勤怠データと一緒に残るので、 1年後に見返すときも、日付から辿れば必ず出てきます。 別ファイルを探す必要がありません。
4. 「抜けているところが分かる」のが本質
この運用のいちばんの価値は、記録が楽になることではありません。 抜けをその日のうちに見つけられることです。
勤怠と同じ場所に記録されていれば、 未入力者の一覧を見るだけで「打刻はあるがチェック欄が空いている人」も一緒に分かります。 翌朝に確認できれば、記録は正しく埋まります。
義務化された記録で本当に怖いのは、日々の手間ではなく、 いざ確認を求められたときに空欄が並んでいることです。 毎日の運用の中で自然に埋まる形にしておくのが、最も確実な備えになります。
5. 同じ考え方が使える記録
アルコールチェックに限らず、 「勤怠と一緒に記録したほうが確実なもの」は他にもあります。
- 使用した車両——事故時の確認、燃料費の按分にも使える
- 天気——工程の遅れの説明、作業日報の裏付けに
- 現場写真——進捗確認、元請への報告
- 作業内容——原価管理、日報の自動生成
いずれも「別の台帳を作る」より、 毎日必ず触る画面に足すほうが記録が続きます。 記録が続かない原因は、たいてい入力する場所が分散していることにあります。
まとめ
法令で義務づけられた記録は、増える一方です。 そのたびに新しいExcelを作っていては、現場も総務も回らなくなります。
記録の置き場所を増やさない。 毎日触る画面に項目を足すだけにする。 これが、義務を果たしながら手間を増やさない唯一の方法だと考えています。
打刻と同時にアルコールチェックを記録できます
ゲンバ勤怠は、勤怠の入力画面に検知器のチェック欄と車両番号欄を標準で備えています。 職長まとめ入力なら、班員全員分をまとめて記録できます。 建設会社の現場で、いまも毎日使われています。