クレーンの配車ダブルブッキングを防ぐ

配車板をやめる必要はありません。重複だけを機械に見張らせます。

オペ付きリース事業者の実務をもとに書いています

オペ付きリースの配車で、最も避けたい事故がこれです。

「明日、25トンを2件入れてたのか」
「あのオペレータ、午後は別の現場だった」

気づくのはたいてい前日の夕方か、当日の朝。 そこから庸車を手配するか、得意先に頭を下げるか。 どちらにしても、余計なコストと信用の損失が発生します。

1. なぜ二重手配が起きるのか

担当者の不注意が原因ではありません。 配車の情報が、一箇所にまとまっていないからです。

  • 受注は電話とFAXで入る——受けた人がその場でメモする
  • 配車板は事務所の壁にある——外出中は見えない
  • 仮予約と確定が混ざる——「たぶん入る」案件が枠を占めている
  • 午前・午後で分けている日がある——頭の中で計算するしかない

特に厄介なのが最後の2つです。 1日1件なら見ればわかりますが、 午前A現場・午後B現場という組み方をした日は、 ボード上では埋まっているように見えて、実は空いている。 逆に空いているように見えて、実は重なっている。

2. 配車板をやめる必要はない

こうした話をすると「システムを入れて全部変えましょう」となりがちですが、 長年続けてきた配車のやり方には合理性があります。

ホワイトボードは一覧性が高く、事務所にいる全員が同じものを見られます。 急な変更もその場で書き換えられます。 これを完全に置き換えようとすると、現場の抵抗にあいます。

必要なのは、ボードに書いている内容をそのまま画面にも入れ、 重複だけを機械に見張らせることです。

3. 重複は「入力した瞬間」に知らせる

同じ日・同じ時間帯に、同じ車両やオペレータが割り当てられたら、 その場で色を変えて警告する。これだけで事故はほぼ防げます。

ポイントは、いつ知らせるかです。

  • 入力した瞬間——記憶が新しく、代替の手配もしやすい
  • 一覧画面でも色分け——未割当は赤、仮予約は橙など、ひと目で状態がわかる
  • 時間帯まで見て判定する——終日/午前/午後を区別できないと意味がない

前日にチェックリストで確認する運用より、 入力時点で弾くほうが確実です。人は確認作業ほど省略しがちだからです。

4. 期間受注は「日ごとの枠」に分解する

もう一つ、配車特有の難しさがあります。 「来月10日から15日まで、25トンを1台」という期間での受注です。

これを1件の予定として扱うと、日ごとの空き状況が見えなくなります。 途中で1日だけ別の車両に替える、日曜を除く、といった調整もできません。

受注を入れた時点で、日ごとの配車枠に自動で分解するのが実務的です。

  • 日曜や登録した休業日は自動で除外する
  • 同じ内容でよければ「全日程」に一括適用する
  • 1日だけ車両を替える調整も、その日の枠だけ変更すれば済む

5. 配車の記録が、そのまま請求の根拠になる

ダブルブッキング対策として配車をデータ化すると、副次的に大きな効果があります。 月末の請求作業がなくなることです。

多くの事業者では、請求のたびに配車板と作業日報を見返し、 誰がどの現場に何日入ったか、回送費や時間外がいくら乗るかを拾い直しています。 得意先ごとに締日が違えば、その作業を月に何度も繰り返します。

配車の実績が最初からデータで残っていれば、 締日を指定するだけで、その期間の未請求分が集計されます。 発行済みの分は二重に請求されません。 インボイスの登録番号や税率区分も、様式に組み込んでおけば毎回印字されます。

6. 車検・特定自主検査の期限も同じ台帳で

移動式クレーンは車検に加えて、年次の特定自主検査があります。 オペレータの免許や技能講習にも期限があります。

これらを別のExcelで管理していると、更新を忘れて現場に入れない事態が起きます。 車両とオペレータの台帳を配車と同じ場所に置き、期限が近づいたら知らせる。 配車のたびに参照するデータなので、同じ台帳にあるのが自然です。

まとめ

配車のダブルブッキングは、注意力では防げません。 情報が分散していることが原因なので、集約して、重複を機械に見張らせるのが解決策です。

そして配車をデータ化すると、請求・稼働記録・期限管理まで一本につながります。 ホワイトボードの運用を変えずに、その先の作業だけをなくす。 そこから始めるのが現実的だと考えています。

重複を自動で警告する配車管理システム

ゲンバ配車は、受注を入れると日ごとの配車枠が自動で並び、 車両・オペレータの重複はその場で色分け表示されます。 作業指示書から締日別の請求書まで、そのまま作れます。

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